“時代のニーズに応え、新しい未来づくりに挑戦する”荒井のシール技術
吸引作用の発見と実用化
創設者・荒井芳男は1950年代初期に“吸引作用”を発見しました。
密封する対象物を外部へ漏れないようにする、基本的な原理のことを言います。
漏れないオイルシールの背面側にオイルを垂らし観察していたところ、そのオイルが吸い込まれていくことに着目。「オイルシールはオイルを漏らすのではなく、吸い込むのだ」という“吸引現象”の確認とその理論をコアに、高いシール性の製品の実用化に結びつけています。
アルフロン(PTFE:フッ素樹脂)付きオイルシール
摺動部の摩擦抵抗を低減させるため、アルフロンをゴムリップ先端に一体成型させた特徴のある製品を製作しています。
“アルフロン”は荒井独自の充填剤を配合したフッ素樹脂の総称で、高速回転・低潤滑の厳しい使用環境に適応できるオイルシールです。
オイルを密封しながら漏らす?という一見矛盾なハイテク
バルブステムシール(以下VSS)は、エンジンヘッド内のバルブガイドに組み付けられ、ヘッド内に供給されるエンジンオイルがバルブステムとガイドの摺動面を通過し、燃焼室内に流入するのを防止するシールです。
しかし、完全にオイルを密封してしまうと、バルブステムとバルブガイドが焼き付きを起こしてしまいます。
従って、VSSは ”適量を漏らす設計” こそがキーポイントなのです。
そのオイルコントロールを可能にしたのも、荒井が誇るシール技術の一つとなっています。